
先日、宝塚歌劇団公式にて2026年1~2月の月組別箱公演『侍タイムスリッパー』が発表されましたが、作品の原作者である安田淳一さんが、SNSで面白いイメージを投稿されていました。
宝塚歌劇団とのコラボをイメージして、告知用のグラフィックを作ってみたというもの。
もとの告知用グラフィックは、右手に刀、左手に映画撮影の時に使うカチンコを持って、目の前に広がる「現代」の下町っぽい風景を少し前傾姿勢で眺めて立っているお侍さんを背後から撮った構図。
宝塚とのコラボ版は、その構図を基本にしたまま、目の前の下町の風景を、宝塚の「大階段」に似せたすごーくきれいな階段がどこまでも続いている雰囲気のグラフィックに差し替えてありました。
カラーもふんわりした藤色。
デザインも美しくて、いいじゃん、これ!って。(笑)
昨日発表した宝塚歌劇団様による侍タイ舞台化の告知用グラフィックを作り直してみました☆
— 安田淳一 (@kumakumax2009) July 16, 2025
作者としてどんな舞台していただるのか楽しみで妄想が止まりません笑
※このグラフィックは監督の個人の妄想によるものなので宝塚歌劇団様のイメージとは別です^ ^ pic.twitter.com/nUWs0lAkPc
ま、宝塚で舞台化するだけであって、作品の内容がこうなるわけじゃないから、このイメージ画像は壮大なる作者様の愛が生んだ妄想ですが。
でも、わたし、このグラフィックを見ていたら、むしろ、こっちの雰囲気の作品が見てみたくなっちゃいました。(笑)
お侍さんが宝塚歌劇の世界に迷い込んじゃって、わけのわからないまま「男役道」を極めることになっちゃった、、、みたいな。(笑)
それにしても、この作品はあらすじを読むだけでも「なんか面白そう」と思えるチカラを持っていますね。
明日の「金曜ロードショー」で内容はゆっくり楽しみたいと思いますが、そんな作品の力もさることながら、作品の持つチカラに引き寄せられた、諸々の背景にあるサイドストーリーがまた、興味深い。
『侍タイムスリッパー』公式サイトより引用
「自主映画で時代劇を撮る」と言う無謀。
コロナ下、資金集めもままならず諦めかけた監督に、
「脚本がオモロいから、なんとかしてやりたい」
と救いの手を差し伸べたのは他ならぬ東映京都撮影所だった。
10名たらずの自主映画のロケ隊が時代劇の本家、東映京都で撮影を敢行する前代未聞の事態。
半年に及ぶすったもんだの製作期間を経てなんとか映画は完成。
2023年10月京都国際映画祭で初披露された際、
客席からの大きな笑い声、
エンドロールでの自然発生的な万雷の拍手に関係者は胸を撫でおろしたのであった。
初号完成時の監督の銀行預貯金は7000円と少し。
「地獄を見た」と語った。
なにごとも信じてやり通すことの大切さを教えられますね。
もちろん、すべてがこうした縁に恵まれるわけではなく、世の中にはこれと同じような状況下で夢を追い続けて砕け散っている人々も沢山いるのだとは思います。
でも、どこでどんな縁やチャンスと出会うかなんてわからないし、ましてや、やり続けていなければ100%出会うことはないのですから、自分たちの夢を信じて「進み続ける」ことはやはり、大事なこと。
そういえば、かつて、タカラジェンヌのある姿勢にとても感銘を受けたことがありました。
たしかみっちゃん(北翔海莉)だった気がします。
まだトップになるずっと前、もしかしたら専科よりも前の宙組時代だったかもしれません。
彼女は歌やダンスだけではなく、楽器やはたまた重機操作の免許に至るまで、ほんとうに様々なことに取り組んでいることは有名ですよね。
そんな彼女が、一見、舞台には関係のないこと、或いは自分の役には必要のないこと、そしてたぶん舞台で披露することは絶対にないであろうこと、そんなことに挑戦し続けるのはなぜかと問われたとき、こんなことを話していました。
チャンスが巡ってきたときに「できます!」と言えなければ、そのチャンスをつかむことはできない。
いまから頑張ります!では遅いんです。
他にできる人がいれば、その人に持っていかれちゃいますから。
深いな~と。
演出家から「〇〇できる人いる?」と言われたときに「はい、できます!」と言えれば、その役が与えられるわけです。
逆に、せっかく役がまわってきて見せ場のチャンスをもらっても、要求されたことができなければ出番は削られる。
自分のこれからの舞台や人生に「必要か、必要じゃないか」ということではなく、チャンスが巡ってきたときに「つかめるか、諦めるか」という、、、ね。
つまり、チャンスをつかむためには「準備している」必要があるということ。
私はこれを聞いたときに、自分が改めて前者であることを痛感させられました。
「これを今やったところで、無駄になるかも知れない」
「結局つかわなかったらもったいないしな」
そんなことばかりを考えてしまう。
このインタビューを聞いたときは、私自身もまだもう少しばかり若い頃。
そのときにはものすごく心に響いて、わたしもその精神で頑張ろう!って思ったものですが、結局、そう簡単には意識改革は成功せず、、、50代まで生きて来てしまいました。(笑)
でも、ときどきこの言葉の意味を実感はしながら生きては来ました。
仕事の上でも、例えば持っている資格とか、留学経験とか、あるいはパソコンスキルとか、あえて必死で努力したわけではないけれど、好きでやっていたことがチャンスを得るきっかけに繋がっていましたからね。
「できない」から諦めるのではなく、「できるようになればいい」。
あらためて、自分にいま、言い聞かせています。
ずいぶんと話は逸れましたが、、、
今回、月組で上演することになった『侍タイムスリッパー』のサイドストーリーを通して、思いがけず、自分自身の「これからの歩み方」を改めて考え直すきっかけになったな~と感謝している次第です。。。
映画は明日、放送。
ちゃんとストーリーも楽しもう!(笑)